坪田譲治と「びわの実学校」「びわのみ文庫」

坪田譲治(明治23年岡山県生・1890~昭和57年・1982)は児童文学作家。早稲田大学を卒業し昭和8年上京して雑司ヶ谷(現豊島区西池袋2丁目)の地で文筆に専念し、昭和10年発表の短編「お化けの世界」、昭和14年発表の長編「子供の四季」で作家としての地位を確立しました。戦後の昭和38年には、同人雑誌「びわの実学校」を創刊して後進に発表の場を提供、多くの児童文学作家を育てました。

一方、昭和36年、自宅の敷地内に書庫・書斎・閲覧室をかねた「びわのみ文庫」を設け、長男の正男・キネ子夫妻が運営し坪田譲治の作家活動を支えました。また子どもたちに、児童図書を開放しました。少年少女には、心のよき理解者であり「文庫のおじさん」「びわのみのおばさん」と親しまれました。そこから読み聞かせの会やクリスマスの会、キャンプなど多彩な活動が生まれ、児童館が設立されていない時代に、地域の子どもたちが集う貴重な場となりました。お手伝いの大学生も子どもたちも、児童文学・文化を支える多くの人材となっていきました。

ここに「びわの実学校」と「びわのみ文庫」を記念して、ゆかりの著作を展示いたします。 

(監修・岸田靖子、寄付書籍・山根知子ノートルダム清心女子大学はじめ多数の方々)

※区民ひろば西池袋は、豊島区西池袋2‐37‐4「 IKE・Biz としま産業振興プラザ」の2階です。ぜひ、行ってみてください。