児童文学作家なんと2人は同級生!!
お互いにがんばろうね
江副信子さん 昭和37年度卒
児童文学作家
私が初めて本を出版してまもなくのことです。
上條さなえさんから、電話がかかってきました。
「もしもし、あなたはもしかして池袋第三小学校の6年1組にいた江副さんじゃありませんか?」これには、本当にびっくりしました。なにしろ小学校を卒業して以来、30年以上会ったこともなかったのですから。話をきいてみると、彼女は児童文学の世界ではすでに何冊も本を書いている人でした。私のことも知り合いの出版社の編集者に問い合わせて連絡先を知ったということです。
「江副さんという名前がかわっているし、同じ年の生まれだから、これはひょっとすると…って思ったのよ」と聞かされて納得しました。それにしても同じクラスに児童文学を目指す仲間がいたとは、なんという驚き。当時のクラスの思い出がふんわりよみがえってきました。上條さん、お互いにがんばろうね。わたしのほうはボチボチですが。
私のモットー『のんびりのびのび』わたしのあだなはノンキーです。
作品『神々の島マムダ』福音館書店1995年刊
強く生きて欲しい
上條さなえさん 昭和37年度卒
児童文学作家
私が、池袋第三小学校に転入したのは、6年生の2学期でした。5年生の秋、父の仕事の失敗により、突然の放浪生活に入り、1年後の秋、もう1度、5年生をやり直すために海辺の養護学園に入園しました。そこで約1年を過し、再びの秋、私は、たくさんの心の傷を抱えて、池三に転入したのでした。
担任の中島先生の大らかさに包まれて、私は久し振りに通学の喜びを感じることができました。ある日、作文の時間があり、「花のある教室」という題の作文に私は心ひかれました。書いたのは江副信子さんでした。文章が非常に簡潔だったのです。
それから、歳月が経過し、私は児童文学作家としての道を歩き始めました。子どもたちに、強く生きて欲しいというメッセージを送りたかったのです。偶然、私はこの世界で、江副さんと再会しました。2人して「花のある児童文学」を書き続けていきたいと思います。
私のモットー 努力
主な作品『さんまマーチ』『コロッケ天使』『女なんてだいきらい』『ひみつの猫日記』『友だちじゃないか』など
(池袋第三小学校創立60周年記念誌より、ご本人の許可を得て転載)