感謝の気持ちと伝統を大切にして

いよいよ新校舎での教育活動が始まりました。池三小の歴史にまた1ページ、新たなページが加わりました。今回の改築を通して、強く心に思ったことが2つあります。


1つは、「感謝」の気持ちです。今回の改築だけを取り上げても、計画から設計の段階でお世話になった区役所・設計業者・地域の皆様、工事に際して、騒音・振動・工事車両の出入り等でご迷惑をおかけしたにもかかわらずご理解、ご協力を賜りました地域の皆様、子供たちの登下校を見守ってくださった地域・関係諸機関の皆様など、たくさんの方々のご理解、ご協力があったからこそ、今日の日を迎えることができました。
本当にありがとうございました。心より感謝申し上げます。


2つめは、「伝統」の重みです。池三小にとっては今回が4度目の校舎改築になります。最初は創立時、2度目は終戦後、3度目は高度経済成長の時代というように、それぞれが時代の大きな節目にあたります。改築だけでなく、その時代時代における試練や課題に真摯に向き合いながら、当時の教職員や保護者・地域の皆様、子供たちが力をあわせて、それを乗り越え、学校を発展させてきました。その積み重ねが、現在の池三小の基になっているのです。その「伝統」は、新校舎になっても大切にしていかなければなりません。


今回の改築は、グローバル化、高度情報化が急速に進む中、これまで直面したことのない人口減少時代の始まりにあたります。また、環境問題、防災など課題も山積です。反対に捉えれば、持続可能な新しい社会を創る絶好のチャンスだとも考えられます。これまで学校に関わってこられた教職員・保護者・地域・同窓生の皆様が培ってきた伝統をしっかりと受け継ぐとともに、新校舎を積極的に活用しながら、学校・家庭・地域が一体となって「よりよい池三小」を築いていきたいと思います。


同窓会の皆様にも、今後ともご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。あわせて、ぜひ、新校舎が皆様の旧交を温める場となりますよう願っております。

豊島区立池袋第三小学校 校長(当時) 和田幹夫先生
(平成29年1月21日「池三同窓会便り」創刊号より、ご本人の許可を得て転載)